2020/09/07

『論理的である』ってどういうこと?主張と根拠を正しく理解しよう

コミュニケーション > 説明力・説得力 朝見まや

「論理的に考えよう」「論理的に話そう」 

もが社会人になってから1度は意識したことがあるでしょう。 

 

しかし、そもそも「論理的である」とは何なのでしょうか。 

さまざまなビジネス本やセミナーで取り上げられテーマですが、結局何を指しているのか」と問われると、言葉に詰まる方もいるかもしれません。 

その結果、よくわからないけど、なんだか難しそう」と構えてしまっている人もいるのではないでしょうか。 

 

そこで、この記事では、論理的思考に対する理解を深めるために、「主張」「根拠」について掘り下げていきます。 

私たち人間は、正体が分からないものに出会うと、リスク回避のための防衛本能が働いてしまい、過剰に苦手意識をもってしまいがちです。 

是非この記事を通じて、「論理的である」ことの正体を知り、「なんだ、意外に難しくない!」と感じられるようになりましょう! 

 

『論理的』とは論理に違和感がないこと 

まずは、そもそも「論理」とは何であるかを確認していきましょう。 

 

「論理」は、「主張」と「根拠」のつながりです。 

私たちはこのつながりを聞いて違和感がないとき、「論理的な話だ」と感じます。 

逆に、主張と根拠のつながりに無理がある場合は「論理が飛躍している」と感じてしまいます。 

 

ここまでは多くの人の知るところでしょう。 

それでは、「主張」と「根拠」とは一体何なのでしょうか。 

 

日常的によく使われている言葉ですが、論理的に思考を組み立てていくためには、それぞれの意味を正確に知っておくことが重要です。 

ここから、順に確認していきましょう。 

 

主張とは、「問い」に対応した自分なりの考えである 

 

主張とは、ある「問い」に対する自分なりの「回答」です。 

ここでいう回答は、自分なりの考えや推論を指します。 

 

私たちが自分の考えを伝えるとき、意識しているか否かに関わらず、その考えは必ず何らかの問いに対する回答になっています。 

逆を言えば、問いがなければ、その問いに対応する主張も生まれないということです。 

 

例えば、「今日の昼はラーメンにしよう」という考えは「今日の昼は何を食べようかな」という問いから生まれたものです。 

決して「今日は何の予定があるんだっけ」といったような、全く脈絡のない問いから生まれた考えではないですよね。  

 

したがって、論理的に考えるときは、「問い」を正しく理解することが大前提になります 

そのうえで、その問いに対応する回答を考えることで、自分の主張が生まれます。 

つまり、問いが誤っていると、いくら主張と根拠がつながっていても、いったい何の話なのか分からず、聴き手を混乱させてしまうのです。 

 

以下、NG例とOK例を比較して詳しくみていきましょう。 

 

主張と問いが対応していないNG例 

問い:「新卒採用で学生を選ぶとき、どのような能力を重視すると良いですか?」 

主張:「私は、『学生時代にどんな失敗をしたのか』を聞くべきだと思います。その理由は、失敗経験を聞くことによって、失敗に対するストレス耐性を見極めたり、うちの会社で成長していけるかを予測したりできるからです」  

 

この例では、「重視すべき能力」について問われているにもかかわらず、「面接での質問内容」について回答してしまっています。 

回答の中には理由も含まれていますが、そもそも問いと主張がかみ合っていないため、「なぜ面接での質問内容について話しているのだろう」と聴き手は混乱してしまいます。 

 

主張と問いが対応しているOK例 

問い:「新卒採用で学生を選ぶとき、どのような能力を重視すると良いですか?」 

主張:「私は、コミュニケーション能力を重視すべきだと考えます。なぜなら、意思疎通が正しくできるので安心して仕事を任せられるからです」  

 

この例では、「重視すべき能力」という問いと「コミュニケーション能力を重視すべきだ」という主張がうまくかみ合っています。 

そのため、聴き手はスムーズに理解することができます。 

 

このように、論理的に考えるためには、まず「問いと主張を対応させること」が大切です。 

主張を考えたときに「これでちゃんと伝わるかな?」と不安になったら、そもそも自分の主張がどのような問いに対する回答なのかを整理してみてください。 

 

根拠は、主張の正しさを裏付ける情報である 

続いて、「根拠」についても見ていきましょう。 

根拠」とは、主張の正しさを裏付ける情報です。 

 

主張はあくまでも自分の考えや推論であって、客観的な事実ではありません。 

よって主張の妥当性を証明するためには、根拠を使って裏付けることが不可欠です。 

聴き手が根拠を聞いて「たしかにそうだな」と思えば論理的で筋が通っていることになりますし逆に「ん?その根拠は関係ないのでは?」と思えば、話が飛躍しているということになります。 

 

では「根拠」に該当する情報として、一体何を伝えれば良いのでしょうか。 

情報には、「経験」・「ルール」・「データなどさまざまな種類がありますが、これらは全て根拠として用いることができます。 

 

ただし、そのどれであっても、主張の正しさを裏付けるものでなければなりません。 

ですから、自分の考えが論理的であるかどうかを確かめるには、根拠が主張の正しさを裏付けているかを見直しましょう。 

主張と根拠をそれぞれ見直して違和感がなければ、論理的な意見を構築できているといえます。 

 

以下、NG事例とOK事例を比較して詳しく見ていきましょう。 

 

根拠が主張の正しさの裏付けになっていないNG例 

問い:人生を100歳までと考えたら、今後どんなビジネススキルが重要になるか?  

主張:コミュニケーションスキルが最も重要になるだろう(推論)  

根拠:日本経済団体連合会の資料によると、新卒採用で重視される能力の第1位はコミュニケーション能力だから(データ)  

 

NG例では、根拠として「新卒採用で重視される能力についてのデータ」を挙げています。 

しかし、そのデータだと、人生の若い頃に必要な能力にしか言及できていません。 

つまり、今回の主張である「人生を100歳と考えたときに、今後重要になる能力はコミュニケーション能力である」ことの正しさを裏付けているとはいえないのです。 

よって、論理が飛躍してしまっているといえます。 

 

根拠が主張の正しさの裏付けになっているOK例 

問い:人生を100歳までと考えたら、今後どんなビジネススキルが重要になるか?  

主張:コミュニケーションスキルが最も重要になるだろう(推論)  

根拠:自社では、定年を迎えた人の再雇用により、70代の社員と20代の若手社員が一緒に働いている。その中で、先日、お互いの考え方を理解し合えず関係が悪化した結果、若手社員が離職してしまったから(経験)  

 

OK例では、主張の正しさを裏付ける根拠として、「自社の経験を挙げています。 

世代が異なる社員間のコミュニケーションがうまくいかずに離職してしまったということは、双方がコミュニケーションをスムーズにとれていれば、20代の社員は離職しなくて済んだかもしれないということです。 

そのため、さまざまな年代が協働する人生100年時代においては、コミュニケーション能力が重要であることの裏付けとなっています。 

つまり、主張の正しさが裏付けされた論理的な思考ができているといえるでしょう。 

 

このように、論理的に考えるときは、根拠が主張の正しさを裏付けているかどうかについても注意を払いましょう。 

 

まとめ:論理的に考えるには、主張と根拠に気を付けよう 

今回は、「論理的とは何か」について掘り下げていきました。 

ポイントをまとめると、以下3点となります。  

 

・論理的とは「主張と根拠のつながりに違和感がない」ということ  ・主張とは、「問い」に対応した自分なりの考えである  ・根拠は、主張の正しさを裏付ける情報である   

文章にしてみると、意外とシンプルに感じるのではないでしょうか? 

特に「主張」と「根拠」は、論理を構成する最も基本的な要素ですので、是非意見をつくるときの参考にしてみてください! 

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